実証圃場に広がる大豆畑
埼玉大学 大学院理工学研究科 友部遼研究室

通常15年を要する大豆育種を、
最短2.5年へ。

育種シミュレータと植物工場を融合した独自技術「ハイブリッド選抜固定法」。生産者の低単収と、企業の安定調達リスクを同時に解消する、次世代育種プラットフォームです。※ 特許出願済(PCT/JP2026/026969)

170か所
全国実証圃場
2.5
最短育種期間
100
年間交配組み合わせ(2026)
77系統
育成中の系統数(2026)

NEWS

お知らせ

研究プロジェクトの最新情報、実証試験の進捗、学会発表・メディア掲載などをお届けします。各項目をクリックすると詳細をご覧いただけます。

2026.08.20 お知らせ プロジェクト公式サイトを公開しました
超多収大豆品種プロジェクトの公式サイトを公開しました。研究の背景・技術の仕組み・実証データ・研究体制などを随時更新してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
MARKET & CHALLENGE

国産大豆が直面する、
単収低下と安定調達の二重課題。

気候変動と生産者減少により、国産大豆の単収は低下し安定調達リスクが高まっています。従来の育種は完成まで約15年。「作ってから売り先を探す」プロダクトアウト型では、市場のニーズにタイムリーに応えられません。

ISSUE 01

生産者の低単収と販売不安

既存品種の単収低下が深刻。データ上は多収でも「自分の畑で本当に育つのか」、そして「作った後に買い取ってもらえるのか」という栽培・販売リスクが新品種普及の障壁に。

ISSUE 02

需要家企業の調達リスク

単収低下・生産者減少に伴う安定調達リスクと、気候変動による品質のブレ。豆腐・納豆等の加工適性に優れた新品種が渇望されるも、開発に15年を要する構造的課題。

ISSUE 03

育種と商品開発の非同期

大豆食品の商品開発サイクルは1〜3年。一方、品種開発は10〜15年。需要家にとって品種は「外部から与えられる条件」でしかなく、市場変化へ即応できません。

DATA 01

主要国の大豆反収:3か年平均比較

期間(単位:kg/10a) 米国 ブラジル 中国 韓国 世界平均 アジア平均
2002–2004年 平均 259.4 256.7 170.9 155.4 224.7 135.8
2022–2024年 平均 338.3 317.6 199.0 207.2 270.2 150.4
変化率 ▲ 30.4% ▲ 23.7% ▲ 16.4% ▲ 33.3% ▲ 20.2% ▲ 10.8%

※年次の作柄変動を平準化するため、3か年平均で約20年間の変化を比較。

DATA 02

大豆自給率:供給の9割超を海外に依存

日本の大豆自給率(重量ベース)

大豆全体(油糧用含む)約7%
食品用大豆(豆腐・納豆・味噌等)約25%
参考:カロリーベース食料自給率38%

輸入大豆の国別依存度(輸入量シェア)

  • 米国約71%
  • ブラジル約16%
  • カナダ約12%
  • その他約1%
国内の大豆需要 約350万トンに対し、国内生産は約26万トン。供給の9割超を米国など特定国からの輸入に依存しており、国際相場・為替・輸出国の作柄や物流ひとつで調達コストと供給量が大きく揺らぐ構造です。だからこそ、国内で「多収かつ安定して作れる品種」を迅速に開発する仕組みが求められています。

※農林水産省「食料需給表」「大豆をめぐる事情」等の公表データに基づく概数。

FOOD & ENERGY SECURITY

食料安全保障と
エネルギー安全保障への貢献

日本の大豆自給率はわずか約7%。一方で世界の人口増加に伴い、植物性タンパク質の需要は今後数十年で急増すると予測されています。超多収大豆品種は、国内農地の生産性を飛躍的に高めることで、この二つの安全保障課題に同時に応えます。

DOMESTIC SUPPLY

国産大豆の自給率の推移

高度成長期以降、輸入依存が進んだ大豆。食品用に限っても約25%にとどまり、国際情勢の変動リスクに常にさらされています。

※ 農林水産省「食料需給表」等の公表値をもとに研究室作成(概数)

GLOBAL DEMAND

世界のタンパク質需要予測

世界人口は2050年に約97億人へ。畜産由来だけでは供給が追いつかず、環境負荷の小さい植物性タンパク質、とりわけ大豆への期待が高まっています。

※ 国際機関の人口・食料需要見通しをもとに研究室作成(2020年=100の指数、概念図)

食料自給率の底上げ

単収を大幅に高める超多収品種は、限られた国内農地でも大豆の増産を可能にします。輸入依存からの脱却を進め、味噌・豆腐・納豆など日本の食文化を支える原料の国産化に貢献します。

タンパク質危機への解

大豆は畜産に比べ水・土地・温室効果ガスの負荷が格段に小さいタンパク質源です。多収化により単位面積あたりのタンパク質生産量を高め、世界的な需要増に応える供給基盤を築きます。

エネルギー安全保障

大豆油はバイオディーゼルや持続可能な航空燃料(SAF)の原料にもなります。食料と競合しない余剰生産力を国内に持つことは、輸入化石燃料への依存を減らす一手となります。

収量を倍増させる育種技術は、単なる農学の成果ではありません。食料もエネルギーも「自分たちの土地でつくれる国」への転換を支える、社会基盤としての技術です。

CORE TECHNOLOGY

次世代育種技術
「ハイブリッド選抜固定法」

植物工場(環境制御装置)と育種シミュレータという2つの独自システムを融合。実圃場での長期多地点試験に依存せず、デジタル上で適地と有望株を事前選抜し、植物工場内で最速で固定化します。

  • ① デジタル選抜(適地・表現型予測)

    「この系統を、この地域に、この時期に播いたらどう育つか」を圃場評価前に高精度予測。

  • ② 「選ぶ」と「固定する」を高速に進める

    従来の「有望株を選んでから、性質を安定させる」から、独自の予測手法により、育ち方のデータから有望株を早い段階で見極め、選抜と固定化を高速で進行。

  • ③ 植物工場での超高速固定

    完全人工日照下で大豆を2〜3ヶ月以内に結実・収穫。交配成功率70%以上(通常10〜30%)を実現するコアノウハウ。

  • ④ データ還流による自己学習

    全国実証圃場のデータが継続的に還流し、予測精度が向上し続けるエコシステム。後発が追いつけないデータの防壁を形成します。

Non-GMO(非遺伝子組換え)技術です。本手法は遺伝子組換えやゲノム編集に依らず、交配と選抜という従来育種の枠組みを高速化するアプローチ。国内外の規制や消費者受容の面でも導入しやすい技術です。
植物工場でのハイブリッド選抜固定

SPEED & SCALE

開発スピードと、試行回数の差

速いだけではなく、年間に試せる交配の数が桁違いです。

比較項目 国内の公的機関(従来法) 海外の大手育種企業 当プロジェクト
開発期間 約15年 5〜7年 最短 2.5年
年間の交配
組み合わせ数
15〜30程度 非公開 (大量資本型) 100 2026年 実績見込み値
→ 2027年は 200〜300 を計画

※ 開発期間・交配数は各機関の公開情報および当プロジェクトの実績・計画値に基づく比較です。

SUPPLY-CHAIN ECOSYSTEM

サプライチェーン統合型エコシステム

開発過程に需要家を巻き込み、生産と買取を紐づける。生産者の販売不安と需要家企業の安定調達リスクを同時に解消し、育種サイクルと商品開発サイクルを同期させます。

生産者

地域最適な超多収・環境適応品種で収益性を改善。全量買取のコミットで販売不安を解消。

育種プラットフォーム

ニーズを起点にアジャイル開発。データ還流で精度が自己成長する中核基盤。

需要家企業

加工適性・品質を満たす品種を安定調達。品種を「関与可能な変数」として経営に活用。

需要家が求める特性をタイムリーに反映した品種を、需要家自身が関与しながら開発。短期間で変化する消費ニーズや製造技術に即応できる、強靭なサプライチェーンを構築します。
PROVEN RESULTS

すでに全国で回り始めた
実証と参画のネットワーク。

1年以上前から北海道から沖縄までの全大豆主産地・潜在産地で実証試験を展開。食品メーカー・JA・生産業者と協働し、着実に成果を積み上げています。

170圃場
全国実証拠点
(F2材料展開)
8
参画食品メーカー
3組合
参画JA(単協)
55
参画大豆生産業者
1,150ha
参画農地面積
(種苗用の30%超)
RESEARCH TEAM

研究代表者

研究代表者 友部遼

友部 遼(ともべ はるか)

埼玉大学 大学院理工学研究科 助教 / 研究代表者

専門は土木・地盤工学および数値計算。地盤強度向上の手段として学際的に植物の育種改良を研究し、その知見を「ハイブリッド選抜固定法」として体系化。関連特許を出願済み。

植物と外環境の力学的相互作用シミュレーション、大豆の遺伝資源・形態形成のモデル研究で多数の査読論文を発表。本プロジェクトの交配組み合わせ策定から固定・選抜、新品種作出までの全プロセスを主導。

INVEST & COLLABORATE

協業・共同研究の
お問い合わせ

次世代農業のIPプラットフォーマーとして、2028年度中のスタートアップ設立を計画しています。投資家の皆さまへの情報共有、生産者・企業との協業を歓迎します。

  • 投資家の皆さまへ / 出資・事業内容に関するご相談
  • 大豆生産者・JAの皆さまへ / 新品種の導入・実証参画
  • 食品メーカー・商社の皆さまへ / 加工適性品種の共同開発・安定調達
  • 研究機関の皆さまへ / 共同研究・データ連携

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